「父親として情けないです……」 「そうですね……」 この人に同情は出来ない。 この人は、今の奥さんに頭が上がらないのだろうか? 奥さんのいないとこで、どんな理由があるのかわからないけど、今更、父親面するなんて……。 「阿川さん、娘を宜しくお願いします」 穂乃ちゃんのお父さんが頭を下げてきた。 「はい。僕は、穂乃香さんを手放したりはしません。あなたたちのようにね……」 「あの……これ……受け取って下さい」 穂乃ちゃんのお父さんが封筒を差し出してきた。