決戦は終わった――。
どっちが勝って、どちらが負けたかなんてわからない。
でも、ただ、ひとつわかったことは……。
穂乃ちゃんの両親の考えがわかったということ。
やっぱりもう、この家に穂乃ちゃんを帰らせてはいけないってことだ。
車に乗ろうとした時、
「阿川さん!」
門から穂乃ちゃんのお父さんが出て来た。
「何でしょう?」
俺は乗りかけていた車から出た。
「娘は……穂乃香は元気ですか?」
「はっ?」
今更……何なんだ?
「穂乃香は元気ですか?」
「えぇ……元気ですけど……」
「よかった……」
穂乃ちゃんのお父さんは安堵の表情を見せた。
リビングで見せた顔とは違う。
父親の顔……。



