「あら、ちょうどいいじゃない!ねぇ?あなた?」
そう言ったのは、穂乃ちゃんの母親。
「これから優太(ユウタ)の中学受験が控えてるし、夜遊びばかりするような子がいたら優太の受験にも影響するわ」
「…………あぁ、そうだな……」
まだ子供がいたのか……。
それにしても、この親は何を考えてるんだ……。
「では、穂乃香さんは、うちに置いといても構わないんですね?」
そう聞いたが、ダメだと言われても、もう穂乃ちゃんを帰らす気はない。
こんな親のとこに置いといたら穂乃ちゃんがダメになってしまう。
「宜しいですわ。その方がこちらも助かります。あの子の荷物で必要な物があったら送るので言って下さいね」
穂乃ちゃんの母親はニッコリ微笑んだ。
「わかりました。では失礼します」
俺はソファーから立ち上がり、頭を下げると、リビングを後にした。



