次の日――。
今日は仕事納め。
そして……。
俺にとって決戦の日――。
朝ご飯を食べ終えて、用意を済ませた後、穂乃ちゃんはキッチンで洗い物をしていた。
「穂乃ちゃん?」
「ん?」
「今日、ちょっと帰りが遅くなるかもしれないから……」
「えっ?何で?」
穂乃ちゃんは洗い物の手を止めた。
「用があるんだ……」
俺は穂乃ちゃんの頭を優しく撫でた。
「…………うん」
不安そうな顔をする穂乃ちゃん。
「そんな顔すんなって!なるべく早く帰るから。なっ?」
「約束だよ」
「あぁ、約束」
俺が小指を出すと、穂乃ちゃんが俺の小指に自分の小指を絡めてきた。