夕方――。
冬休み中の学校。
部活をしていた生徒もいなくなり、校内、グラウンドは静けさに包まれていた。
明日が仕事納め。
明後日から年末年始の休みに入る。
穂乃ちゃんと、どっか行こうかな……。
そんなことを考えながら帰る用意をしていた。
「咲哉!」
瑞樹が勢いよく保健室に入ってきた。
「何か用か?」
俺は鞄に書類を入れながら言った。
「話があるんだ……」
「明日じゃダメか?早く帰りたいんだけど」
俺の言葉を無視して、瑞樹は机の横に置いてある椅子に座った。
「あのなぁ……瑞樹……俺は早く帰りたいんだ」
「話ってのは、穂乃ちゃんのことなんだ……」
はっ?
穂乃ちゃんのこと?
鞄に書類を入れてた手が止まった。