テーブルに並べられた朝食。


ご飯に味噌汁、玉子焼きに焼き魚。


和風の朝食。


ちゃんとした朝食を食べたのは何年振りだろう……。


養親が亡くなって以来か?


朝食はどれも旨かった。


玉子焼きは甘過ぎず、ほんのり甘め。


味噌汁も濃い過ぎず薄味。


穂乃ちゃんと結婚したら、こんな朝食が毎日食べれるのかな。



「行って来ます」


「行ってらっしゃい」



玄関で交わす言葉。


それが嬉しくてしょうがない。



「なるべく早く帰って来るから」


「うん。気を付けてね」



俺は穂乃ちゃんの唇に軽くキスをして玄関を出た。