次の日――。
目が覚めると、隣で寝ていたはずの穂乃ちゃんはいなかった。
まだ朝の6時。
外は暗い。
トイレに行ったのか?
それとも……家に……いや、それはないか……。
体を起こして、サイドテーブルに置いてあったメガネをかけて、ベッドから出た。
寝室を出ると、リビングが明るい。
それに、いい匂いがする。
俺はリビングのドアを開けた。
キッチンの方に目をやると、服に着替えた穂乃ちゃんがいた。
「おはよ」
俺の声に気付いて、こっちを見る穂乃ちゃん。
「あっ、おはよう」
穂乃ちゃんがニッコリ微笑む。
「すっげー、美味しそうな匂いがする」
「あ、朝ご飯を……。冷蔵庫の食材を勝手に使っちゃったんだけど……良かった?」
上目遣いで聞いてきた穂乃ちゃん。
可愛い。
穂乃ちゃんの上目遣いが俺の胸をドキドキさせる。
キスしたい……。
「うん。好きに使っていいよ」
俺がそう言うと、穂乃ちゃんは「良かった」って、笑顔になった。
「もうすぐ出来るから待っててね」
「あぁ」
俺はそう返事をして、穂乃ちゃんの傍に行き、後ろからギュッと抱きしめた。