「何か中途半端な時間だな……」
「そうだね」
墓地の駐車場を後にした車の中。
車の時計は"10:30"を表示していた。
昼ご飯を食べるには早すぎる。
でもここは田舎だから時間を潰す場所はない。
「どうしようかなぁ……」
俺がそう言うと、
「咲哉さんの育ったとこって……ここら辺?」
と、穂乃ちゃんが聞いてきた。
「うん。高校卒業までこの町にいたんだ」
「そうなんだ。いいとこだね」
穂乃ちゃんは俺の方を見てニッコリ微笑んだ。
施設も……15歳から18歳まで育った養親の家もこの町にある。
養親が亡くなった後、俺は財産放棄した。
正確には財産放棄させられた。
血の繋がらない他人の俺に、財産を相続することは親戚中が反対した。
元々、財産なんてどうでもよかったから素直に応じた。
血の繋がらない親戚とも縁が切れた今、養親の家は父さんの弟が管理している。
俺は親戚から見たら赤の他人。
俺の育った家は、今は父さんの弟のもの。
だから養親が亡くなってからは1度も家には帰っていない。
あっ……そうだ!
昼まで時間あるし、あそこへ久しぶりに行ってみるか。



