助手席に乗ってる穂乃ちゃんは、さっきからキーホルダーの付いた鍵を目の前で揺らしながら笑っていた。
「穂乃ちゃん?どうしたの?」
俺は穂乃ちゃんをチラッと見た。
穂乃ちゃんの行動や笑ってる理由はわかっていた。
でも穂乃ちゃんの口から聞きたかったから聞いてみた。
「ん?だって、咲哉さんがプレゼントしてくれた鍵に、サンタさんからのプレゼントのキーホルダーが付いてるから嬉しくて」
穂乃ちゃんは"サンタさん"のとこを強調して言った。
あれから俺はキーホルダーはサンタさんからだと押し通した。
穂乃ちゃんも納得したのかどうかわからないけど、最後は「そうかもね」と言って笑っていた。
穂乃ちゃんは、キーホルダーは誰が買って、誰が枕元に置いたかわかってるのに。
俺の話しに合わせてくれた穂乃ちゃんは俺より大人かもな。
「そっか。良かったな」
俺は小さな子供に言うように言うと、穂乃ちゃんの頭をクシャクシャとした。



