「……咲哉……さん……。いいの?」
穂乃ちゃんが目を見開いたまま言った。
「あぁ……」
俺は微笑み、穂乃ちゃんの髪を優しく撫でた。
もう穂乃ちゃんを1人にさせない。
穂乃ちゃんの家庭がどんな家庭なのかわからない。
ただ、穂乃ちゃんが教えてくれたことや今日のことだけしかわからない。
だけど、穂乃ちゃんをあの家に帰したらダメだと思ったんだ……。
あの家に帰したら穂乃ちゃんが壊れてしまう。
心が粉々に砕けたガラスのようになってしまう。
居場所がないなら、ここを穂乃ちゃんの居場所にすればいい。
「何も心配しなくていいから……。だから……ここにいて?俺の傍から離れないで……」
俺は穂乃ちゃんの唇にキスをした。



