「心!!」

今日全部の授業が終わって、すぐに慧の待つ場所まで走る。


「ごめん、お待たせ」

「本当だよ、ったく掃除にどれくらい時間かけてんだか・・」

「だってすみずみまでお掃除しないとゴキブリ出ちゃうよ?」

「ハイハイ」


慧が呆れた顔車が止まっている校門に向かう。


周りの子達から何か視線を感じるけど。

それは多分この、隣にいる慧のせいだ。


「オジサンは?」

「パパは一旦家に帰ってからだって。あたしもそうしたかったのに」

「何で?別に制服でもいいじゃん」

「だって、この前お醤油零しそうになったし」

「あ~心はお子ちゃまだからな」

「もう!そうやっていっつもいっつもお子ちゃまって!
これでもあたしの方が慧よりもお姉さんなんだから!」


頬を膨らませて慧を睨む。


「そんな睨まれたって怖くないし。それに」

「それに、何よ」

「お前の事お姉さんなんて思ったことないね」

「ひっどーい!!」

「どっちかっていうと俺がお兄さん、だろ?」