サアッと少し強い風があたしの背中を押したようなきがした。


『は?』


言ってから中田は少しテレてしまったのか下を向いた。


『本当に?本当に慰めてくれるの?』


「…」


あれ、黙りましたよこの人。
何、今めちゃくちゃかっこいんだか恥ずかしいんだかわからないセリフ言っといてこの人黙りましたよ?


『ねえ、本当に?』


「…あ~、はい、そうです。僕が慰めてあげます!」


もうヤケクソだ、と言う彼の横顔。
少し赤いほっぺがいとしく思えた。


コイツ、やればできるじゃん。
やれば可愛くなれるじゃん!


『よーし!!』


急に立ち上がったせいか驚いて肩をビクッを震えさせた中田にあたしは笑顔を向けた。


『あたし、がんばってみる!!!』


そう言って中田のいる屋上をあとにした。