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信じられない。

目の前に立っている男子生徒の顔に見覚えがあった。
それだけじゃない。


ふわふわしたようなあの雰囲気は…この前の!

最初は教室全体を見渡していた彼の視線があたしに向けられた時。


あたしの体全体がドキドキ、高鳴った。


きっと、この前あったヤツだってバレたんだ!


そう思った。

けど、彼の視線はあっさりあたしから離されてまた教室を見渡している。

あれっ?


わからなかったのかな?
目が悪いとか?


「それでは、中田くんは宮川さんの隣に座ってくれる?」


えっ、嘘嘘。きた―っ!!

まるで少女漫画のような展開。


再会を果たした転校生と席が隣…。

そして、意気投合して気が付くと仲良しに。

で、気が付いたら「かけがえのない存在」と気づいて付き合う…な―んて。


でもないな。

まず相手が相手だし。


それにあんなふわふわ系な男子と派手なあたしとじゃ全然、つりあわないし。