-大河side-


葵に見られてしまった…


追いかけようにもいけない…。


雛が俺の服をつかんではなさない。


「雛…はなせ。いくらお前でも、殴るぞ!」


ビクッと雛が一瞬動く。


しかし、はなそうとしない。


「やだもん!大河は雛のなのぉ!!」


「雛~!知ってると思うけど…」


「知ってるもん!」


俺の言いたいことをかき消すかの様に叫んだ。


「でも、葵ちゃんは…大河にはあわない!!」


「はぁ!?」


「葵ちゃんは陸のことが好きだと思うよ!」



いま…


なんて…?



「ど、ゆぅことだ、ょ」



「葵ちゃん本人に聞いてみれば?」



陸と?



葵が?



なんで、あいつらが?



俺は雛を振り払い、葵を追いかけた。