耳にコダマするように、授業の終わりを告げるチャイムが鳴り響いた。



「もどらなくちゃ…。」



教室に戻るのが気が重い。


なにか嫌だ…。





私はスゴスゴと階段を降りていった。






「葵っ!お前…どこいってたんだよ!!」




大河が心配してる。




なんか…言わなくちゃ





いけないのに…




何も言えない…。




「頭痛くて保健室にいたんだよな~。」




陸が足を組ながら言う。




そして私を見て、ニヤリと笑う。





「そうなの?葵…。」





「う、うん…。」




嘘をついた。




「あんまりシツコイと葵に嫌われるよ?」



笑いながら陸が得意げにいう。



「なんで、お前にそんなこと言われなきゃいけないんだよ…。」



「別に~。ねぇ…葵~?」



ワザトだ。




いま、ワザト私にフッた。