教室に入ると陸が抱きついてきた。


「葵~!!待ってたよ♪」


うぐっ苦しい…。


すると、となりにいた大河が陸の頭をカバンで殴った。


「いってぇ…何すんだよ!大河!!」


「なにって…葵を助けただけだ。」


ガバッと私を後ろから抱きしめた大河は、クラス中に響くくらいの大声で怒鳴った。


「葵は俺様の彼女だから!!誰も葵に手ぇだすな!!」


トクン…


あっ…


また…。


「嘘だろ…お前と葵が!?」

陸はその場に立ち尽くした。


「まぢかよ…葵…。」


コクッと小さく首を上下にふる。


それを見た陸は目の色を変えた。



「えっ…。葵…。」


後ろから私を包んでる大河の腕に私はソッと手を添えた。


「ごめん。陸…。」


陸は鋭い目付きで大河をにらむと、机を蹴った。


ガッターンと大きい音が教室にこだまする。


「諦めないから…。葵のこと。」


そう言って陸は走って教室を出ていってしまった。