黒王子と銀の姫

「どうした? 嬉しくないのか? 真紅の薔薇とうたわれる華やかな美女だぞ」

この状況で、よくそんなことが言えるものだ。

イリアは少し呆れながら、上半身をわずかにひねり、兄の顔を流し見た。