アルミラの軍は派手な軍装でリアタニアの領土に侵攻し、ぐるりと城を取り囲んだ上で、三十日後に総攻撃をかけると宣言した。

城内の誰もが決死の覚悟で武器をとったが、敵の陣形を調べているうちに、意外なことが明らかになった。

蟻が這い出す隙間もないと思われた敵軍の包囲網に、小さなほころびがあったのだ。