十五歳の少年の、少年らしからぬ冷めた横顔が、ひどく青白く見えるのは、月の光のせいだと思いたい。

「そんなことより、いつまで従者のふりをしているつもりだ?」

「心外です。ふりをしているつもりはありませんし、いざとなれば、あなたの盾となって、死ぬことぐらいはしてみせますよ」

王子の切れ長の双眸がすがめられ、不可解そうな表情になった。

クリムゾンは軽く肩をすくめると、王子の前に膝をつき、恭しくマントに口付けた。