「何を泣いている?」
「泣いていません」

「泣いているだろ」
「泣いていません!」

大声を張り上げた時、頬を伝った涙が、あごの先からぽとりと落ちた。

イリアが軽く舌打ちをして立ち上がる。

そのまま部屋を出て行ってしまう。

それがどうしてこんなに悲しいのか、ユーリにはどうしてもわからなかった。