「クリムゾンに剣術を習っているそうだな」

「はい、すじが良いと、褒めていただきました」

微笑むユーリの顔を王子は無言で見つめている。

亡国の王女はいつしか涙を見せなくなった。

でも、人目のない場所でこっそり泣いていることは、確認済みだ。