「でも、私、私は……」

「泣いてもなにも変わらない。王子とは言え、俺は何の後ろ盾もない第四王子だ。策を弄せずリタニア王女を匿うことなど不可能だ」

イリアは椅子から立ち上がり、人差し指をユーリに突きつけた。

「芝居ができぬというのなら仕方がない。好きにするがいい。その代わり、俺の見ていないところで死んでくれ」