大声で叫んだ途端、ぽろりと涙がこぼれた。

我慢に我慢を重ねているが、数名の家来に守られて城を脱出したあの日から、ユーリの涙腺は壊れっぱなしなのだ。

「泣くな」

憂鬱そうに呟いて、イリアは足を組み替えた。

「この城を出るのは勝手だが、国境にたどりつくまでに捕らえられるか、殺されるか、犯された上に身ぐるみ剥がされて売り飛ばされるかの、いずれかだぞ」

淡々と事実を告げられて、ユーリは盛大にしゃくりあげた。

「そ、そんなこと……」

言われなくてもわかっている。