通された部屋で、イリア・アルフォンソは本と書類とに埋もれていた。

ライティングデスクの反対側に猫足のテーブルが置かれていたが、その上にも本が積み上げられ、右へ、左へ傾きながら危ういバランスを保っている。

そこへ座れと示された椅子の上にも、やっぱり書類が載せられていた。

状況を察した二人の従者がすばやく動き、本と書類を片付け始めた。

短い時間できっちりと仕事を終えた後、従者たちは一礼して部屋を去り、後にはユーリだけが残された。