「あなたを待っているのはイリア様です。想像なさっているようなことは、たぶん、起こらないと思いますよ」

「どうしてそんなことを言い切れるの?」

責めるように告げられて、グノーは思わず苦笑した。

「長年、お仕えしてきた者の勘とでも申しましょうか。それに、お優しい方ですから」

「優しいですって?」

ユーリは信じられない思いで聞き返したが、それ以上の言葉を相手から引き出すことはできなかった。