地下道はとっくにふさがれてしまっていたから、地上に出なくては逃げられない。

剣を手にした男たちが細い通路を塞いだ時、ユーリは逃げ切れないと覚悟したが、クリムゾンは違っていた。

ユーリの手を放すと同時に、突進しながら腰の剣を抜き放つ。
抜き打ちで一人きり、断末魔の叫びが途切れる前に、次の男の首が胴体から離れて転がった。
ざざっと人垣が割れると、階段の上に光が見えた。

「こっちだ!」

差し出された手は鮮血に濡れていたが、ユーリはその手をつかむのに、躊躇しなかった。