「これ以上、お前に話すことはない」

「出て行け」という言葉で、会話はいきなり打ち切られた。
どこまでも冷ややかな声だった。

「第二王子はすでになく、第三王子、第一王子ももういない。これからは俺がこの国の王だ」

これは演技だと咄嗟に思った。
芝居はまだ続いているのに、自分は退場を迫られている。

「正妃と三人の妾妃は……」

「放っておいても出て行くさ。王室に仕える者全員に暇を出す。ここから先は、王と第一王子の亡骸と、俺だけでいい」

「なぜ、そんな……」

少年の唇がかすかに動いたが、その声はクリムゾンの耳はとどかなかった。