少女と向かい合ったクリムゾンは軽く息を飲む。

きらめく紫の瞳はひたとこちらを見つめている。

少し見ないうちに、少女はまた美しくなった。

身体のラインに緩やかに沿う夜着のシルエットは、はっきり言って目の毒だ。

「これ、忘れていっただろう?」

さりげなく眼を逸らしながら、携えていた剣を差し出すと、ダークアメシストの瞳が驚いたように瞬いた。

「わざわざ届けに来てくれたの?」

そうだと言う代わりに、肩をすくめて苦笑した。

「迷惑だったか?」

ユーリは答えなかったが、困惑した瞳を見れば、考えていることは一目瞭然だ。

それはそうだろう。

今のユーリには必要ないものだ。

だが、受け取ってもらわなくては、ここへ来た意味がない。