「私が死ねば良かったのです」

「違います、そんなことを望んでいるわけでは……」

「わかっています。ユーリ様はそんなことを望んだりはしない。私自身がそう思っているのです。優秀な兄は私の誇りでした。私はいつだって、兄のことがうらやましかった」

兄のために涙をこぼす王女の前に膝をつき、アランは臣下の礼をとった。

「でも、こうして私を生かしたことは兄の判断です。ユーリ様、ずっとお探ししておりました。これからは兄に代わり、私があなた様をお守りします」