堅牢な衣装箱のようにも見える箱の蓋はずしりと重い。

少し持ち上がった隙間から、さらに濃厚な香りが立ちのぼる。

力任せに持ち上げると、ガランと鈍い音を立てて、蓋は反対側の床に転がった。

次の瞬間、ユーリは蒼白になってよろめいた。

恐怖のあまり、悲鳴をあげることさえ、できなかった。

入っていたのは、ドレスを身に着けた白骨死体だった。