部屋を出ていく直前に、セナなユーリの手かせを外し、足かせを別のものに付け替えた。

多少は動けるようになったが、状況が良くなったとは言い切れない。

右の足首に取り付けられた金属製の輪には、びっしりと彫刻がほどこされていて、ユーリの細い足首をひときわ華奢に見せている。

輪には鎖がついていて、その端は、部屋の中央の柱に固定されていた。

宝飾品のように繊細なつくりなのに、どんなに引っ張ってもびくともしない。

鎖の長さは絶妙で、壁にも扉にも手が届かなかった。

ベッドから降りたユーリだが、立ち上がろうとした途端、思い切り無様に転んでしまった。

しっかりしなくてはと思うのに、恐怖で足が笑ってしまうのだ。

すりむいた両膝がずきずき痛み、動くたびに、足元でジャラジャラと金属音がする。