「本当に迷惑な話なんだけど、母上は何が何でも僕を王座につける気でね、どこかで君のことを聞きつけたみたいなんだ。イリアが大切にしている君を殺して、その罪をキリシュに着せれば、第一王子と第四王子を仲たがいさせられるって考えているようだけど……」

指で髪を梳かれてぞっとした。

「ねえ、君はどう思う? そううまくいくのかな?」

それなりに整ってはいるが個性のない顔が近づいてくる。