離宮というものは、本来、王宮から離れた場所にあるものだ。

それなのに、アルミラの四つの離宮は、渡り廊下で王宮とつながっていて、それぞれの離宮には、四人の王子が住んでいた。

過去形で言うのは、第二王子が不慮の死を遂げたから。

第四離宮の敷地内から出たことがないユーリは、第二王子がどんな人だったかも知らないし、死んだと聞かされても何も感じない。

アルミラ王家の人間など滅びてしまえばいい。

でも、妙な感じなのだ。