人の気配を感じて、ユーリは庭掃除の手を止めた。

背後には離宮ごとの敷地を仕切る高い塀。

その塀を背にして、周囲を見回したけど、誰もいない。

(気のせい?)

首をかしげて空を仰いだ。

青い空を背景に、見知らぬ鳥の群れが、気持ち良さそうに飛んでいくのが見えたが、ただ、それだけだ。