「心配しましたわ」

目が合うと、ローズはにっこりと微笑んだ。

ユーリよりひとつ年上なだけなのに、艶やかな微笑はすでに「女」そのものだ。

「一晩中、そばについておりましたの」

疲れの見えない顔が、それは嘘だと告げていた。
イリアは無表情に聞き流した。