「でも俺、片桐さんに利奈のことお願いしときたかったのになー。言っといてね、会えなくて残念って」



「分かった分かった。じゃー気をつけて行ってきてね。明日学校で会お♪」



「うん、じゃあ利奈、ばいばい」



祐樹は玄関までついてった私のほっぺたにチュッとキスをして、照れくさそうにしながら出掛けていった。



さーてと、片桐さんも夜までバイトって言ってたし、何して待ってようかなぁ。あ、夕飯のことも考えなくっちゃ。



とりあえず冷蔵庫の中を覗いてみる。なんで??見事に何もない。ミネラルウォーターのボトルが数本、だけ。棚を開けると、食器とか鍋とかはちゃんと揃ってるのに…最近忙しくってお料理サボり気味なのかな?米も食パンもないし。



「あっそっか!あたしが買い出しに行って、お夕飯作っといてあげればきっと喜ぶよねっ」



急遽ひらめいた名案!ここらへんは大学に近いからスーパーの場所も分かるし♪何にしよっかなーお夕飯。結構得意なんだよねっ、料理とか。。。








私は舞い上がってたんだと思う。
玄関の靴箱くらい、チェックしてみても良かったのに。。