アイドルになら殺されてもいい!

「あ…」



俺が彼女に声をかけようとしたその瞬間
包丁を持った彼女がくるりとこちらを向く。




俺の目を見据え
少し微笑。



ピンク色の唇から
鈴を転がすような声で俺に言葉を発してきた。




「あなた、この前親なんかいなくなっちゃえって
願ったでしょ?」




再び微笑。



その姿に恍惚となる俺。
やっぱりかわいい。




「その思いをね、私が受け取ったのよ。



夜空の下で
親なんていなくなっちゃえって



願っている男の子がいることを
私感じたの…」