きみに守られて

東京から人が消えるのに
二週間ほどだった。

殆どの人間は逃げだした。

それでも都内あちらこちらに
大量の死体が転がっている。

この世界に来た日に、
鼻を曲げた悪臭を、
今度はユリツキ自身が
放っていのだ。

哀れでおぞましい男は、
夢遊病者のように
ふらふらと都内を流離う。

返り血が体全体を覆い
固まり右手は
見知らぬ女性の手を握ていた。

まるで園児が、
大きなぬいぐるみと
手をつないでいるような姿。