きみに守られて

この時点でのユリツの収入は
毎夜どこかの場所で必ず行われる
ストリートファイトで得ていた。

公園や路地裏クラブの一角である。

ユリツキは不死身と怪力を隠し、
無難に勝ち抜いていく。
無難だが、カッコよく
鮮やかに、そして
丁寧に勝ち抜く。

殴られれば
それなりに苦痛をうけたふりをし
死に物狂いで勝った様子を
時には装いながら、
生活費を稼いでいた。

この程度のストリートファイトでは
あまり死人はでず
気を失う程度でケリがついていた。

優里はこの短期間で肝も座り度胸がつき、
ユリツキのマネジャー的存在で
荒くれた者たちと渡り合い
一歩家から出ると飄飄としていた。

二人は恋人同士ではなく、
仲の良い兄と妹のようであり
”ユリ兄””ユリ”と
呼び合う仲になる。

そんな時の流れであった。