きみに守られて


数分、
マネキン並に不動。

動きが止まったユリツキは
脳みそが脈打ちながら膨張していく感覚を知り、
零れぬように耳を押させた。
やがて我にかえり出す

「あ、車に戻らなきゃ」

歩くとビチャビチャと音がする、
人間二十五人以上の鮮血。血の海。

「うわ!」

後退して躓く、
肉片やら内臓のカスやらが手のひらに絡んでいた。
自分には関係ない驚き声を出していた。
夢中で両腕を振ると異様な鉄分の臭いがする。

「あっあっあ・・・あー」

あごがはずれたようなだらしない口から
生唾が垂れ流れて、
手の平と顔面から血の気が引いていく。

膝と肩が落ち、
流れるヨダレの如く呟く

「洗わなくちゃ、洗わなくちゃ、
へへ・汚れちゃった・・へへっ、
ぼくは悪くない。
あいつらが先に撃ってきたんだもん、
撃ってきたやつが悪いんだよ、
自分を守ってだけだもん悪くない、僕は
悪くない僕悪くないもん」

四つん這いで水場を探し回る。