きみに守られて

”痛くない、ぼくは生きている”
気が楽になった。

そして守れると確信した。

快楽が全身に走る。

「なんだ!?なぜだ!?」

確かに引いた引き金の感触、
肩に伝わった強靭な力、
鼓膜に残る射撃音、
鼻腔を擽る火薬臭、
その事実に対して
応えない眼前の男に
警察所長は驚倒の声を上げ、
拳銃をマジマジと見る。

ユリツキは黙祷のまま息を軽く短く口から吐く。
吐くと同じに口元が狡猾に笑った。

出番だと云わんばかりにユリツキは両拳を握り、
目をカッと見開き体ごと男の右斜めへ瞬間移動する。
左拳が右わき腹へ刺さり心臓付近まで到達する。
抜いた左手と同時に右拳が、
胸正面大胸筋へと刺さる。

常人を超えた力と体の鋭さで、
左フック右フックの連携、
男は何事がおきたのかわからずに
口と目を開け広げたまま、
崩れ落ちた。