きみに守られて

「まず、一人なんです」


「恐怖でおかしくなったか?」
銃をぐりぐりとユリツキの頭に押し付ける。


「まず一人なんです、
ぼくと大島さんが生き残る為に、すいません。
あなたに死んでもらいます」
ユリツキは味気なく言っていた。

「この状況で何寝ぼけてるんだ?ボンクラめ、
死ね!」

”パン!”
一発の乾いた激音。

弾丸は確実に眉間の上部に命中した。
一層、ユリツキの頭がのけ反り、
空と顔が平行する。
ユリツキのその瞳に
パノラマの清み切った大空だけが広がり、
白銀の霞みをまとった太陽が天高く
放射の棘を形作っていた。

静かであった。

まるで人里離れた山奥にある湖に、
一滴の水滴が水面に零れ落ち、
波紋を広げていくような静けさが、
冷静さがユリツキにあった。


ユリツキは瞼を閉じながら
顔を起こしうつむく、
死者へ捧げる黙祷のような姿だった。