気が付くと踏切があった。
渡りきろうとした、
右方面から、
まだ遠い電車のかすかな光が
一瞬消える。
何かに遮られた光を見ると、
電車のライトは人影を示した。
彼女の後ろ姿だ。
自殺という言葉が脳を揺さぶる。
電車と彼女とユリツキの距離は
ギリギリ。
躊躇無く助けに向かう。
「間に合わないよ!だれか!!」
(一人じゃ死なせない!)
全速力で走る。
今度は諦めないと誓う。
「一人じゃ死なせないぞ!!絶対!」
叫ぶ声に振り返る大島優里は、
すでに死人を感じさせる
無色の顔しているようにみえたが、
ユリツキに対して薄幸的に笑顔を見せた。
(けっ!やっとこの声に反応して、
まともに見て、笑ってくれたよ。
おせーよ。)
嬉しかった。
こんな状態でも自分に気づいてくれ、
たとえ無表情で死人顔でも笑顔をくれた事を。
明らかに電車の方が早く、
最悪な場面は避けられなかったが、
ためらいを絶ちきった願う心が
異常な体力を目覚めさせていた。
それがユリツキを一歩早く
電車より先に、
大島優里の体に触れさせ両肩を掴ませた。
(また触れられた!よかった!)
もう白い光の渦は
二人を射程距離に入れていたが、
スローモーションのように
彼女の耳に顔を近づけ言う
「生きろよ」
同時に渾身の力で突き飛ばした。
(あぁ髪の匂いが、いい匂いだ)
と思いながら
(ゲスな男は最後までゲスな事を思うものだな)
そう思っていた。
彼女の後ろ姿を愛しく見送った。
渡りきろうとした、
右方面から、
まだ遠い電車のかすかな光が
一瞬消える。
何かに遮られた光を見ると、
電車のライトは人影を示した。
彼女の後ろ姿だ。
自殺という言葉が脳を揺さぶる。
電車と彼女とユリツキの距離は
ギリギリ。
躊躇無く助けに向かう。
「間に合わないよ!だれか!!」
(一人じゃ死なせない!)
全速力で走る。
今度は諦めないと誓う。
「一人じゃ死なせないぞ!!絶対!」
叫ぶ声に振り返る大島優里は、
すでに死人を感じさせる
無色の顔しているようにみえたが、
ユリツキに対して薄幸的に笑顔を見せた。
(けっ!やっとこの声に反応して、
まともに見て、笑ってくれたよ。
おせーよ。)
嬉しかった。
こんな状態でも自分に気づいてくれ、
たとえ無表情で死人顔でも笑顔をくれた事を。
明らかに電車の方が早く、
最悪な場面は避けられなかったが、
ためらいを絶ちきった願う心が
異常な体力を目覚めさせていた。
それがユリツキを一歩早く
電車より先に、
大島優里の体に触れさせ両肩を掴ませた。
(また触れられた!よかった!)
もう白い光の渦は
二人を射程距離に入れていたが、
スローモーションのように
彼女の耳に顔を近づけ言う
「生きろよ」
同時に渾身の力で突き飛ばした。
(あぁ髪の匂いが、いい匂いだ)
と思いながら
(ゲスな男は最後までゲスな事を思うものだな)
そう思っていた。
彼女の後ろ姿を愛しく見送った。

