きみに守られて

”ガチャーン!!”、突然、
硝子が割られた音が彼女の家からする。
数回、物が壊れたような音も響いた。

「なんだよ!」

涙を浮かべた大島優里が飛び出してきた。

「どうしたの?」

ユリツキを見るなり反対方向へ走り出す

「あぁ、まだ、嫌われてるよぉー」

苦いものがこみ上げるが彼女を追う。
全速力で走るが胴体と腕、
足が上手く絡み合わない、
走りかたが分からないような感じ。

右手と右足が同時に動きそうな感覚。

「なんだよ。この体!」

自分の体の動かし方が解らない。

ギクシャクとした間抜けな早歩きをする。

ぶっきらぼうに動く体に釣られ、
見上げた夜空の、
鉄黒の空に、
丸い月が飲込まれていくかのように
黒い雲が掛かっていく。

「なんか嫌な予感がする・・」

尋常ではなかった彼女の行動に、
今更に「くそ!くそ!」と、
無意識に発する言葉で苛立つ。

自分の不安をあおる。