きみに守られて

駅改札口にある掲示板が、
約束の日付で記してある。

原宿の駅は何時も不思議だった。

線路を挟み、一線を引き、
流行に敏感な大都会の駅の顔と
緑が生い茂るド田舎の駅の顔が
あったからだ。

二重人格のようで、
マッチポンプ的な駅に思えた。

「まだ、ビーグル犬いないね、」
まだ、辿り付かない”曲がり角”を、
適当な遠目で、
いかにも確認しきった声で優里が
言っていた。

「まだ良く見えないよあの場所は・・」

「このまま!このまま、
神様現われなかったらどうする?」

「その時はまた、農業やる。
でも神様なんだから
嘘はつかないだろう?
きっと来るよ、気長に待とうよ」

「私はこのまま
現われなくてもいいかな・・」

時間が流れる。

まるで無風状態の大空に飲みこまれる
風船のように、流れる。