きみに守られて

永遠の別れ間際だった。

       
刻々ときざむ”時”は、
一度気になりだしたら全てを疑う。
感覚を一点に集中させて
時間の流れを早くする。

年代を重ねて濃縮していく
高級ワインが
その内容量を減らすが如く
想いは余計な物を削ぎ落とし
濃くなっていく。
 


「ラベンダーってさ、夏の花?秋の花?」
ユリツキはは唐突に、
あからさまに不思議がっている口調で、
優里に訪ねた。

「え?えっ??」

「”えっ!”で、なくてさ。あれあれ」

ユリツキが指をさしたのは、
見渡す限り里芋畑専用台地のような場所に
一反だけぽつりと
似つかわしくないくらい
目を奪う四角いラベンダー畑だった。

「ラベンダーは多年草よ。
六月から今の時期くらいに咲くわよ。
八分咲きで摘んで乾燥させて、
飲んだりするわ。
種からとか、挿し木からとか、
栽培方法も知りたい?」

「べっつに~そこまで聞いていないし。
知らなくてもいいし~」

「そうだ!!
ユリ兄を連れて行きたい場所があるんだ」
優里が指刺す先には
夕映え前だが、
やはり黒くなりかけていた山間が
そこにはあった。