きみに守られて

幾日かが過ぎ、
本当の別れが日に日に近づく中、
何十回目かの男同士での釣をする。

青いツナギのジッパーを、
ヘソの部分まで下げて、
両袖を腰の辺りで結び目をつくり、
上半身裸の夏バージョンで
肩を並べて座った正樹とユリツキ。
「表世界の俺と優里ちゃんは
付き合っているって言ったな。
だけど今の優里ちゃんはお前が好きだ。

表の世界に帰って
例え記憶がお前の方に残っても、
ユリツキが約束やぶって
お前の方に記憶が残ったとしても、
優里ちゃんはユリツキを
絶対思い出すって
なぜか自信満々で言っている。

そんな事が実現出来るのか、
分からないよな・・。
それを考えると切なくなる。
今の俺も優里ちゃんが
思いっきり好きだ。
今の俺も表の俺も変わらないって
言ったよな?
なら・・
優里ちゃんを幸せにする自信は
俺にはある。
思いっきりある。

だったら表の俺もあるだろう。

だけど今の優里ちゃんの気持ちも
大切にしてあげたい。
ユリツキ、お前も同様だ・・。
それ以上に大切な友だ。

だからな、
もし表の世界で優里ちゃんが
お前に気付かなくても
諦めないでほしい。
その時は俺に、
表の世界の俺に、
近づいてきてくれ。
きっと俺はユリツキを好きになれると
思う。
ちょっと遠回りに
なるかもしれないけれども、
そこからユリツキと優里ちゃんが
始まるかもしれないから」