きみに守られて

「ユリ兄だけが記憶残るのって
おかしい。
私の記憶も残してほしい・・」

「あのビーグル犬は
二人のうち一人だけの記憶が消せると
言っていた。
どちらの記憶を残すかは
俺が決めるらしい・・。
決めたらしいんだ・・。
そう、言っていた」

「どうして?どうして!
なぜ!ユリ兄が決めたの?!」

「それは今ははっきり解らないよ。
多分、ユリに負担が
かからないようにじゃないかな?
ユリの人生をしっかりちゃんと
歩んで貰いたいからじゃないのかな?」

「そんなの
私が決める事でしょ?
そうよ!だから私の記憶を
残せば良いのよ。
そして私がユリ兄に会いに行く!
それだったら二人はまた
元の世界でも一緒でしょ?」

「でも、それだったら
辻褄が合わなくなる。
神様が言った事と違ってくる。
もし、ユリの記憶を残してたら
神様は、
あんな事を言わなかったと思うよ」

「変えればいいのよ!
それはきっと今から
ユリ兄が決める瞬間がくるのよ。
その時に私の方が記憶が残るようにする。
そうすれば私が・・
ユリ兄が十九歳になって
私も十九才になるまで秘密にする。
そして、
あの曲がり角付近ですれ違うユリ兄に
私が声かける。私のほうから声かける!
理由は・・
理由は後でゆっくり考える!
なんってたって
出会うまで三年あるんだから!
そしてユリ兄と友達になるの!
少しずつ親しくなっていくの、
そして、そして、
私に残った今の記憶をユリ兄に話す!
理解してくれるまで
何回も何回もはなす!
これでいいでしょ?
これで私とユリ兄は
今も、元の世界も、
一緒にいられるよ!」

優里は無邪気にはしゃいでいた。