きみに守られて

優里は、
ただ夕日だけが差し込む
薄暗い部屋の片隅にうな垂れ、
虚無的に細い脚を抱いていた。

優里の顔は
痛嘆を通りすぎ、
意地も張りも無く、
生気すら消えうせ、
古い壁の染みのような顔だった。

彼女の隣に座る。
それが一気に彼女を激昂させた。

「何?何しにきたの?
私の事嫌いなんでしょ!」

「謝りにきたんだ・・・」

「別に謝ってもらいたくなんかないよ」

「違うんだ。本当の事を・・
遅いのかもしれないけど、
本当の事を言いたくて来た。
ユリに最初にあった時に
説明した中に、
一つだけ言い忘れた事があったんだ。
イヤ、違うな。
意識して言わなかったんだ。
ユリは元の世界に帰ったら
記憶は消えるって俺言ったけど、
でもね俺の記憶は残るんだ。
俺は十九才に戻り、そのままの、
この世界の記憶を持ち
二度目の人生、
二度目の三年間を送るんだ」

ユリツキは思った。
なんて言い訳だらけの人生だと。
ぼくはまた言い訳を
言いはじめていると。
そう思いながら話しを続けた。