きみに守られて

正樹は、
軽トラックの荷台に胡座をかいて座り、
難しそうな顔で腕を組んだ。

午後四時、
忘れ形見のような
物悲しい夕暮れが近づく中、
二人は無言のまま
会話をしている姿だった。


人に迷惑をかけずに生きようとしたユリツキ。
それは嫌われないようにする事から始まった。

嫌われぬようにするには
自分を押し殺しなおかつ、
自分中心で存在することとなる。
相手のことを考えて、
相手を尊重しているような素振りで
自分自信を確保する。

「今のお前に何が出来る?」
正樹の無愛想な声がした。
「優里ちゃんのために、何が出来る?」

「俺、家に帰りたい」

「しょうがない奴だから
家まで送り届けてやるよ!」

「正樹ってやっぱ、
大島優里が惚れるだけの
男だよな」

「残念だがこの俺じゃないんだよな~
クソ~表の俺が憎いぜ~」


ユリツキは複雑な心境だった。
ジグソーパズルの枠だけは
なんとか完成したような感じだった。

車は優里の家に着き、
正樹がハンドルを強く握りながら
「しっかりな!」と、言った。
二度決心したように頷くユリツキ。